京町家を活用し産業てこ入れ   京都市・府が調査着手    −地域経済フラッシュより−

京都新聞掲載記事より

京都市・府は、京町家を活用して地域産業をてこ入れする。市は京都市域の大学での受講や伝統産業の

体験学習など、長期滞在型の観光客向け施設としての可能性を探る。

府は西陣地区の町家をマルチメディアなどの都市型産業の拠点にするための研究・調査に着手する。

市・府とも京都らしい雰囲気を伝える町家を利用して新産業を創出し、都心部の活性化と景観保全につな

げる考え。

市の構想は、米国で発達したシニア向け宿泊施設「エルダーホステル」をモデルにする。自宅を民宿に活

用したい町屋の所有者を市が組織し、施設の運営は所有者にまかせて、市が情報管理や観光客への情

報提供などの業務を担当する方向で検討する。99年をめどに実現する。

市は97年度予算に町屋の実態調査費として500万円を計上した。このほか、町家の所有者をどう組織

するか、旅館業法や消防法などに定められた条件をどうクリアーするかなどを研究する。

観光客への情報提供についても京都市観光協会などと協議する。

府は、西陣地区にある町家や繊維産業などの空き工場を、ベンチャー企業(VB)を育成するインキュベー

ト(ふ化)施設として活用するため、来年度から2〜3年かけて実地調査する。府が企業家やデザイナーと

家主との間の橋渡し役を果たし、町家をデジタル工房として利用することで、ソフトウェアーやマルチメディア

などの都市型産業の集積をめざす。

西陣の伝統産業が蓄積したデザイン素材や技術など、地域の経済資源をフル活用するため、府がVBと繊

維など地元企業間の交流を後押しする。西陣地区に新たな産業集積を構築して、京都市域の産業空洞化

防止に役立てると同時に、低迷が続く地場産業を刺激して、新分野への展開などを促す。

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by kyoto−net